幕張まであと少し

今日の昼下がり総武線に乗っていたら、イヤホンからサヴィル・ロウ3番地が流れてきたので、ドア上の路線図にあるひとつの駅名をじっと見つめてしまった。
本館とこちらのどっちで書くべきか迷ったけど、昨日あるひとがGLAYのTERUさんとあいばさんの共通項について語ってるのを読んで、おおおおお!ってびっくりした。そうか、そういう…。そしてわたしがいちばん感受性の高かった時期にずっと聴いてた珠玉のアルバム、HEAVY GAUGEが急激に聴きたくなって、貪るようにして聴いたのが昨日の夜。つまり未満都市のあとに。
HEAVY GAUGE聴いてるころは奈良で青春スーツもこもこの高校生だったんだけど、そこから関空に行くときも、その後北海道に行って(もちろん彼らが「生まれた街のあの白さをあなたにも見せたい」っていうから北海道の大学に進んだ。リアルな話)札幌から新千歳に行くときも、いつも「幕張まであとすーこしー」って思ってた。わたしにとってサヴィル・ロウ3番地はすなわち空港に向かうときの歌なのです。
しかもこのアルバムが出た1999年の夏、わたしはオーストラリアにいたので、あの幕張のコンサートのことはすっかり熱気も冷めたころになって雑誌とか新聞とかで知るしかなかった。(でもホームステイ先のお母さんにも「わたしの好きなアーティストが今日20万人コンサートやるの!」っていって「まあすごいわねぇ」って無理やり言わせてた)だからわたしにとって「幕張」という場所はずっと、ほとんど幻みたいな存在だった。今では幕張メッセだって行ったことあるし、週の半分くらいは総武線に乗るし、もうすっかり現実の地名だって認識してる。だけど昨日初めて気がついて感動したのですよ。幕原地区って八塩団地みたいなことかぁ!って。当時14歳の奈良県民、しかもこういちくんファン(ついに白状)にはその意味がわかるはずもないです。夢中で観ていた画面にちらちら映る棒読みの少年が、12年後に冠番組で幕張人参!って嬉々としていうなんて。そしてその彼の一語一句にこんなにわたしが翻弄されているなんて。
なんだかわたしの歴史を行ったりきたりしてて出てくる土地も飛び飛びで、他の人にはまったくおもしろくない話だと思いますが、そういうわけで「幕張まであと少し」の意味が今になって三重にも四重にもふくらんだ、という話です。まさに交点の先でもう一回交わるみたいな感じ。
それで冒頭に戻りますが、今日は本当に本当に仕事がつらくて逃げるように外出して総武線に乗ったら、サヴィル・ロウ3番地に乗せてあの駅の名前が目に入ってきたので、このままずっと乗っていたいなぁ…ってぼんやり考えてしまったのでした。
しかし、こういちくん→テルさん→あいばさん ってあらためて見渡すと、わたしの好みの系統がはずかしいくらいだだもれですね。